法律で定められている相続分について①

相続人が複数人いる場合で、遺産分割協議を行わない場合、それぞれの相続人の取り分はどうなるの?
今回は、法律上の相続分がどれぐらいになるかについてお答えしようと思います。

Q.法律上、相続人となるのは誰ですか。
A.法律上、相続人となる人のことを法定相続人(ほうていそうぞくにん)といいます。
民法が「相続の際に遺産を受け取れる権利がある人」と認めている一定の相続人のことをいい、被相続人の血縁者を4つのグループ(配偶者/子/親や祖父母/兄弟姉妹)に分けて相続の際の優先順位を決めています。
 このとき、被相続人の法律上の配偶者は常に法定相続人になりますが、この配偶者と一緒に法定相続人になれるのは残りの3グループの血縁者のうち最も順位が高い1グループのみとなるうえ、それぞれのグループによって民法の定める遺産の取り分(法定相続分)が異なります。

Q. 法定相続分と順位別の相続分を教えてください。
A.  配偶者相続人と血族相続人には、法定相続分という遺産の取り分に関する規定が民法900条に置かれています。
 法定相続分は、被相続人が遺言を残していない場合や、遺言はあるものの相続分についての指定がなされていないまたは不十分である場合などに、遺産分割の基本になる相続割合です。
 民法900条は、同順位の相続人が複数いる場合のルールとして、下記4点を定めています。

1. 子及び配偶者が相続人の場合は、それぞれ2分の1ずつ
2. 配偶者及び直系尊属が相続人の場合は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1
3. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1
4. 子・直系尊属・兄弟姉妹が複数人いるときは、各自の相続分は相等しいものとする(ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする)

Q.配偶者は必ず相続人になるのですか。内縁関係や事実婚関係のカップルの場合はどうなりますか。
A. 被相続人の法律上の配偶者は必ず法定相続人になり(民法890条)、相続の際に大きな権利を有します。
 民法では法律婚主義を採用しており(739条1項)、内縁関係や事実婚関係のカップルに対する一定の保護はあるものの、相続における「配偶者」は法律上の配偶者だけを指しており、事実上の配偶者に関しては法定相続人としての権利は保障されません。
 したがって、ここでいう配偶者は「被相続人死亡当時の法律上の配偶者ただ1人」のことをいい、仮に被相続人の死亡当時に別居や離婚について争いが生じていたとしても、婚姻関係が継続していれば、その配偶者は法定相続人になるということになります。
 なお、配偶者は常に法定相続人になりますが、血族相続人のうち一番順位の高いグループの相続人と共に相続するのが原則です。

以上が法定相続人とその順位についての説明になります。次回は、第一順位から第三順位までの法定相続人についての詳しい説明をしていきたいと思います。

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